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住宅購入を失敗しないための心構えと、理解しておきたい諸費用とは?

住宅の購入は人生のなかで、もっとも大きな買い物の1つ。人生の3大資金と言われる1つであり、教育資金や老後資金とのバランスを考えながらしっかりとプランニングしなければなりません。そこで今回は住宅を購入する際の心構えや、必ず知っておかなければならない諸注意事項と周辺知識を解説します。

住宅および住宅ローンの現状

住宅の価格は高止まりしており、都市部の駅近マンションはたいへん人気です。これは高齢化社会の影響もあり、リタイアした高齢世帯が郊外の戸建てを手放して、より便利な都市部の駅近マンションに移り住んでいる傾向にあるからではないかと言われています。

また、延期されている東京オリンピック施設等の建設ラッシュにより、建設資材や人件費が高騰していました。その影響が住宅価格にも反映していると考えられています。首都圏近郊では土地の価格も高騰しており、住宅価格の高止まりに影響を与えています。

住宅ローンの現在

現在、住宅ローンは史上空前の低金利を継続中で、住宅を購入するには有利な状況です。ネットバンクを筆頭に年利率1%を下回っている金融機関も多くあり、変動利率を選択すると年利率0.4%代の住宅ローンも多く見られます。

傾向として、金利の低い住宅ローンほど、その審査も厳しくなっているようです。基本的には世帯収入400万円以上が目安となりますが、低金利の住宅ローンは高い年収が要求されます。世帯での収入を合算してローンを設定することも可能ですが、連帯保証人等の設定も必須となってきます。

令和元年度(2019年)の国土交通省「住宅市場動向調査報告書」によると、分譲住宅を購入する世帯主の平均年齢は40歳前後です。それにともない住宅ローンを完済する年齢も高くなる傾向にありますので、定年退職後も住宅ローンを返済し続けるリスクが大きいと言えるでしょう。したがって住宅ローンの設定には注意が必要です。

住宅購入を決めたら準備しなければならないお金

マイホームを購入するときにさまざまな初期費用がかかります。次に具体的に挙げて説明します。

頭金

頭金とは、物件価格の一部を最初に支払う資金のことです。頭金ゼロでも物件購入は可能ですが、頭金を用意した場合に比べて住宅ローンの借入額が増えたり金利が上がったりするため、できる限り準備しておきたいところです。

2019年度の「フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)によれば、頭金として支払うのは「物件価格の10~20%」が平均的です。

住宅購入時の費用

次は、物件価格以外の費用について見ていきましょう。物件価格以外の諸費用は、すべて合わせて5~10%が目安と言われています。中古物件の方が高くなりやすい傾向があります。

家の取得に伴って発生する費用は以下のとおりです。

・申込証拠金・手付金
申込証拠金(申込金)は新築物件や戸建ての購入を申し込むときに支払います。1~10万円ほどです。購入をキャンセルすると返金され、購入が決まれば手付金に充当されます。手付金は、購入の意思を示すためのお金で、物件価格の5~10%が相場です。支払った手付金を放棄すれば契約を解除できます。契約を解除しない場合は、物件価格に充当されます。

・仲介手数料
新築物件など売主が直接募集して買主を見つける場合は、あいだに仲介する人がいないので仲介手数料はかかりません。仲介手数料は、法律で上限が定められています。400万円を超える物件の仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」という計算式で算出できます。

・不動産取得税・固定資産税・都市計画税
不動産取得税は、取得した物件の課税標準額の4%と決められていますが、購入時期によっては軽減措置があります。固定資産税と都市計画税は毎年1月1日時点の所有者に課税される税金ですが、年の途中で物件を購入したときは買主が日割り相当分を負担します。

・印紙税
契約書に貼る印紙の代金を支払う必要があります。これが印紙税です。土地建物売買契約書の印紙税は購入した物件の価格によって次のように決められています。

(出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)

(出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」)

・登記費用
物件を購入したら、その権利を守るため法務局での登記が必要です。登記には登録免許税という費用がかかります。

中古物件の購入 土地:固定資産評価額×1.5%
建物:固定資産評価額×2.0%
新築物件の購入 固定資産評価額×0.4%
一定の条件を満たす物件なら
0.1%か0.15%になる軽減措置あり

(出典:法務局「登録免許税はどのように計算するのですか?」※2020年時点の情報で作成)

登記は自分で行うこともできますが、知識が必要で手間もかかるため、司法書士に依頼するケースが多いです。司法書士の依頼費用は5~10万円程度が相場です。

住宅ローン契約にかかる費用

・住宅ローンの事務手数料
住宅ローンを契約するときは事務手数料がかかります。金融機関によりますが借入額の1~3%ということが多いです。フラット35を利用するときはこれとは別に4~8万円ほどの物件調査手数料も必要です。

・保証料
住宅ローンの返済が滞ったときに立て替えてくれるのが保証会社です。その保証会社に支払う費用が保証料です。目安は借入額の0.5~2%です。

・保険料
団体信用生命保険は、住宅ローンの金利に保険料が含まれている場合と、無料で付帯できる場合があります。火災保険や地震保険の保険料も必要で、内容にもよりますが1年あたり1~4万円程度、住んでいる間はずっとかかります。

・印紙税・登録免許税・司法書士費用
この3つは「家を取得したときにかかる費用」として先ほど紹介したものですが、実は物件購入とは別に住宅ローンを契約したときにも再度かかります。

そのほかにかかる費用

ほかに考えられる費用としては、新居に住むための引っ越し代、新築マンションなら修繕積立基金、新築戸建てなら地盤調査費、改良工事費、地鎮祭や上棟式の費用、中古なら住める状態にするまでのリフォーム代、建て替えの場合の解体費用などがあります。

以上のことを考えると、初期費用を支払う資金として「物件価格の3割」程度の準備を心がけたいところです。

初期費用を抑える方法は?

税金など法律で決まっている費用は節約できませんが、それ以外なら次のような工夫で安く抑えられますよ。

  • 頭金を減らす(しかし、初期費用は抑えられるが月々の返済負担が増すので要注意)
  • 火災保険や地震保険はなるべく長期契約にする
  • 引っ越し代やリフォーム代は複数社で見積もりを取って比較し、実行時期を閑散期にする

初期費用は基本的に貯蓄など自己資金でまかなうのが一般的ですが、住宅ローンの中には諸費用を含めた金額で組めるものもあります。初期費用の捻出が難しそうな場合は金融機関に確認して相談してみるのもよいでしょう。

住宅ローンの組み方と住宅ローン減税

住宅の購入を具体的に考える際には、前述の頭金や諸費用部分を準備することになります。また、並行して住宅購入後の返済計画もしっかり考えなくてはなりません。将来の生活に無理のない返済計画を立てるということです。

一般的に下記の計算式で無理なく支払うことができる毎月の返済額を計算できます。

【計算式】
無理なく支払える毎月の返済額=現在の賃貸物件家賃/月 + 住宅購入のための積立額/月 - 購入後の維持費/月
※購入後の維持費は、マンションと戸建てでは違いがあります。

住宅ローンの返済期間や金利タイプを選ぶ

住宅ローンの毎月の返済額は、借入額、返済期間、金利によって決まります。

「借入額」とは、住宅の物件価格から頭金を差し引いた残額で、住宅ローンの借入総額を指します。この借入元本は、返済利息に大きな影響を及ぼします。返済利息は借入元本の残高に返済利率(金利)を乗じて毎月計算されることになるからです。

「返済期間」も総返済額に大きな影響を及ぼします。返済期間が長くなるほど、返済利息は増加し、総返済額も増加することになります。

「金利」は、現在比較的低金利で借り入れすることができます。金利のタイプには全期間固定金利、固定金利選択型、変動金利の3タイプがあります。

「全期間固定金利」
毎年の金利が一定で返済終了まで借り入れ当初の金利が適用されます。

「固定金利選択型」
借入時に固定金利の期間を選択します(5年・10年など)。固定金利期間終了後は再度、固定期間を選択するか(選択できないタイプもあります)、下記の変動金利になります。

「変動金利」
毎月もしくは年2回金利の見直しが行われます。

住宅ローン減税とは

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅を購入した場合、原則として毎年末の住宅ローン残高の1%相当額が10年間所得税から控除される制度です。また、所得税から控除することができなかった金額がある場合には、住民税(13万6,500円が上限)から控除されます。

消費税率10%が適用される住宅を購入した場合、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合については、控除期間が3年間延長されます。延長期間の3年間については、次の1または2のどちらか少ない金額となります。

  1. 住宅ローン残高または住宅の取得対価(上限4,000万円)のうち少ない方の金額の1%
  2. 建物の取得価格(上限4,000万円)の2%÷3

老後資金とのバランスが重要

前述の国土交通省の統計にもありますが、住宅購入時の世帯主の平均年齢は高めになっています。特に中古住宅を取得した世帯主の平均年齢は40歳を超えています。

住宅ローンの設定が20年以内なら現行制度の定年退職前に住宅ローンを完済することはできそうですが、定年退職後にも多額の住宅ローンが残ってしまうような設定では老後の生活が脅かされます。定年退職後に残債が1,000万円を超えるような住宅ローンの設定は、たいへん危険です。

住宅を購入する際は、25年や35年といった長期での返済を設定したとしても、繰り上げ返済等を上手に利用して、できる限り定年までに住宅ローンの返済を終えているのが理想的だと言えるでしょう。

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