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投資信託の分配金、「再投資コース」と「受取コース」どちらがお得?

投資信託の中には、一定ペースで分配金が支払われるタイプの投資信託がある。そしてこの分配金について、投資信託の保有者は「再投資する」か「受け取る」か、どちらかを選択しなければならない。

どちらを選んだ方が最終的にお得になるのかを考察してみよう。

そもそも投資信託の「分配金」とは?

投資信託における分配金とは、投資信託の運用で得られた収益を投資家に分配するお金のことを指す。投資信託の保有口数に応じて利益が分配される。なお、最初から分配金を出さないことを決めている投資信託もある。

分配金を出すタイプの投資信託の場合、基本的な支払いペースは毎月、半年に1回、年に1回というように決められている。ただし、分配金を出すかどうかやどのくらいの金額にするかは、約款などに基づいて投資信託の運用会社側が決める。

さらに分配金については、「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」の2種類に分類される。それぞれの違いを見てみよう。

収益から支払われる普通分配金

普通分配金は、投資信託の元本の運用によって得られた収益が支払われる分配金のことだ。普通分配金は課税対象となる。

投資元本から支払われる特別分配金(元本払戻金)

特別分配金は、運用で利益が得られていないとき、投資元本の一部が払い戻される形で支払われる分配金のことを指す。「元本払戻金」とも呼ばれる。特別分配金は非課税となり、支払われた分だけ投資信託の投資元本が減ることになる。

分配金を「再投資する」べきか「受け取る」べきか

冒頭で触れたとおり、投資信託を保有する際には分配金を「再投資する」か「受け取る」かを選ぶ必要があり、投資信託によって「分配金再投資コース」や「分配金受取コース」などといった名称がつけられている。

ここからは、それぞれを選んだ際のメリットとデメリットについて説明していこう。

「再投資コース」のメリット・デメリット

分配金を再投資するコースを選んだ際の最大のメリットは、相場の上昇トレンドにおいて「複利効果」の恩恵を最大限享受できることだ。複利効果とは、投資で得た収益を再投資することで、相場の上昇トレンドにおいて資産がふくらむスピードが加速する現象のことを指す。

例えば100万円の元本で毎年10%のリターンが得られる場合、そのリターンを再投資し続けると、10年後には資産は259万円となっている。1年目は100万円を運用するが、2年目には110万円を、3年目には121万円を運用するため、リターンの金額が徐々に大きくなっていくわけだ。

一方、リターンを毎年受け取った場合、資産は毎年10万円ずつ増えるだけで、10年後の資産額は200万円となる。リターンを再投資した場合と受け取った場合のその差は59万円にも上る。

<毎年10%のリターンが得られる場合の資産のふくらみ方の比較>

 期間  再投資コース  受取コース  差額
 1年後  110万円  110万円  0円
 2年後  121万円  120万円  1万円
 3年後  133万円  130万円  3万円
 4年後  146万円  140万円  6万円
 5年後  161万円  150万円  11万円
 6年後  177万円  160万円  17万円
 7年後  195万円  170万円  25万円
 8年後  214万円  180万円  34万円
 9年後  236万円  190万円  46万円
 10年後  259万円  200万円  59万円

ただし、分配金を再投資することで複利効果を狙う手法は、相場の下落トレンドが続いているときはデメリットになるため、注意が必要だ。分配金を再投資すると、その再投資した分も下落トレンドの影響を受けてしまうからだ。

もちろん、下落トレンドが続いているときに分配金を再投資しなければ、その分は下落トレンドの影響を避けることができる。

ほかにも分配金を再投資するコースにもデメリットがないわけではない。分配金を再投資するということは、分配金を他の用途に充てることができないということだ。つまり、分配金を使って他の金融商品に投資したり、生活費に充てたりすることはできなくなる。

「受取コース」のメリット・デメリット

ここまで説明すれば、受取コースを選んだ場合のメリットとデメリットもイメージできるのではないだろうか。

まず受取コースを選んだ場合のメリットだが、前述のとおり、分配金を都度さまざまな用途で使うことができる。また、分配金をその時々の臨時収入として活用したい場合も、受取コースを選ぶと良いだろう。

また、分配金を再投資しないことで、相場の下落局面におけるさらなる資産価値の下落を避けることができることもメリットであると言える。その一方で、相場が上昇局面にある際に複利効果の恩恵を受けにくくなる点はデメリットと言えるだろう。

お得なのは「再投資コース」? 「受け取りコース」?

ここまで説明した点を踏まえて、冒頭の「どちらがお得か」という問いの答えを考えてみよう。

相場の上昇トレンドにあるときは「再投資コース」の方がお得だが、相場が下落トレンドにあるときは「受取コース」の方が損は少なくなる。そのため、相場によってどちらがお得か、という答えは変わる。

ちなみにこの10年は、日本の株式マーケットもアメリカの株式マーケットの上昇傾向にある。こうした状況が続くと考えるのであれば、「再投資コース」を選ぶといいだろう。

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