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NISAとiDeCoを併用するコツ 特徴を理解して賢く資産形成する方法

老後資金の形成について調べていると、「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」をすすめられることが多いでしょう。どちらも節税効果が期待できる制度ですが、投資目的によって向き・不向きがあります。

今回は、NISAとiDeCoの違いや活用のコツ、また、「NISAとiDeCoは併用できるのか」についても詳しく解説します。

NISAとiDeCoの違い

NISAとiDeCoには「節税につながる税制優遇措置がある」という共通点がありますが、他はまったく異なる制度です。まずは、NISAとiDeCoの相違点を押さえておきましょう。

NISAとは

NISAは、「個人投資家のための税制優遇制度」です。

通常、金融商品に投資をした場合は、売却益や配当金などが課税対象となります。しかし、NISAには「非課税枠」が設けられているため、一定金額内の投資に対する利益には税金がかかりません。

NISAには「NISA(一般NISA)」と「つみたてNISA」があり、それぞれ非課税投資枠や期間、運用方法などが異なります。

-NISA(一般NISA)

非課税になる新規投資額は毎年120万円までで、期間は5年間です。つまり、毎年120万円ずつ投資すると最大600万円分の投資で得た利益が非課税になります。

投資対象は国内外の株式や投資信託などで、口座を開設した金融機関によってラインナップが異なります。

-つみたてNISA

非課税枠は毎年40万円、期間は20年間で、最大800万円分の投資で得た利益が非課税になります。

投資信託の長期・積立・分散投資を支援するための制度で運用方法は積立投資のみです。投資対象は投資信託とETF(上場投資信託)のみで、「販売手数料なし(ノーロード)」「信託報酬が安い」といった金融庁の基準を満たすものに限られています。

iDeCoとは

iDeCoは、金融商品を運用した成果を老後の年金として受け取る「私的年金制度」です。

NISA同様、運用利益には税金がかかりません。また積立金が全額所得控除になり、受取時にも控除が適用されるといった税制優遇措置があります。

<NISAとiDeCo 制度の概要>

NISA つみたてNISA iDeCo
税制上の優遇措置 ・運用益が非課税 ・運用益が非課税 ・運用益が非課税
・積立金は全額が所得控除の対象
・受給時の控除枠あり
運用期間 5年間(最長10年間) 20年間 60歳まで
※2022年5月以降は65歳まで延長
最低投資額 100円から(金融機関・投資商品による) 月々100円から(金融機関・投資商品による) 月々5,000円から
投資限度額(年間) 120万円 40万円 14万4,000円~81万6,000円
(公的年金の加入状況による)
投資商品 投資信託・国内外株式など 金融庁の基準を満たす投資信託・ETF(上場投資信託) 投資信託・定期預金・保険など
投資方法 自由 積立投資 積立投資
引き出し いつでも可 いつでも可 受給年齢(原則60歳以上)まで不可
手数料(税込)
※取引手数料・信託報酬など金融商品にかかるものを除く
口座管理手数料なし 口座管理手数料なし 加入・移換時手数料 2,829円/初回のみ

国民年金基金連合会手数料 105円/納付月ごと
資産管理手数料 66円/月
運営管理手数料 0~数百円/月(金融機関による)

給付事務手数料 440円/給付ごと など

それぞれの得意・不得意を見極める

NISAとiDeCoは、それぞれの目的に沿って設けられた制度です。それぞれの「得意なこと=メリット」をしっかり見極めることが、上手に活用するコツといえます。

また、投資の目的をはっきりさせることも大切です。5〜10年での資産形成なのか、〜20年なのか期間によっても変わってきます。目的と合致する方法を選ばなければ、せっかくのメリットもデメリットに変わってしまうかもしれません。

節税効果をシミュレーション

NISAとiDeCoに共通する大きなメリットは、運用利益が非課税になることです。どのくらい節税効果があるのか、以下の条件で投資した場合を見てみましょう。

【投資内容】
投資金額:毎月1万円 積立投資
投資期間:20年間
運用利率:3.0%

【20年後の運用結果】
総額:326万8,381円
(内訳)
投資元本:240万円
運用利益:86万8,381円

NISAやiDeCoを利用した場合は運用利益に税金はかかりませんが、利用しない場合は「運用利益×20.315%」の税金がかかります。

【節税できる金額】
86万8,381円×20.315%=17万6,412円

約17万円もの節税効果があることがわかりました。

NISAが得意なこと「5~10年以内の投資」

一般NISAの非課税期間は5年間です。10年以内の資産形成には向いていますが、最初から長期運用を前提とした投資には向きません。

※2021年8月現在、NISAは2023年までの制度であるため、新規投資は2023年までです。2023年中に投資した金融商品は、以後5年間(2027年まで)は非課税で保有できます。

-非課税期間が短い分投資額が大きいから、まとまった投資ができる

一般NISAは、長期運用以外のさまざまな投資に利用できます。運用商品も幅広く、投資信託だけでなく国内外の株式にも対応しています。非課税枠内であれば、一括投資でも積立投資でも制約がありません。

配当金も非課税になるため、高配当の株式を保有する場合でも節税効果が期待できます。

「つみたてNISA」が得意なこと「10~20年後の資金形成」

つみたてNISAは、「長期・積立・分散投資」に特化した制度です。長期間の運用に向いており、すぐに結果を出したい場合には向きません。

※2021年8月現在、つみたてNISAは2037年までの制度となっています。新規投資は2037年までですが、以後20年間(2056年まで)は非課税で保有できます。

-年間投資額が少ないから、続けられる

つみたてNISAの非課税枠は年40万円、月額に換算すると約3万円です。積立投資のコツは「長く続けること」ですが、少額であれば続けやすいでしょう。

-厳選されているから、選びやすい

金融庁の基準を満たす商品しか選べないということは、どれを選んでも「コストが低い」ということです。投資信託しか選べませんが、それは「分散投資ができる」というメリットともいえます。

つまり、「長期・積立・分散投資をしたいけれど、どうしていいかわからない」という初心者でも利用しやすいというわけです。

iDeCoが得意なこと「老後資金形成」

年金制度であるiDeCoは老後資金の形成に向いており、それ以外の目的には向きません。

-中断できないから、しっかり貯められる

iDeCoは、原則60歳まで資金を引き出すことができず、途中で解約することもできません。だからこそ中途半端にならず、老後資金をしっかり準備できるのです。

積立金額は年に1回変更でき、その時々の家計状況に合わせて無理のない金額に設定できます。自動的かつ強制的に続けることになるため、貯蓄が苦手な人でも貯められるでしょう。

-所得控除シミュレーション

iDeCoの「掛金額の所得控除」による節税効果を見てみましょう。課税所得の計算は収入などによって異なるため、以下の条件とします。

【投資内容】
年収:500万円(会社員)
投資金額:毎月1万円

【1年あたりの軽減額】
※社会保険料は年収の14.39%、所得税は収入に応じて10%、住民税は一律10%として計算

所得税軽減額:1万2,000円
住民税軽減額:1万2,000円
軽減額合計:2万4,000円

例えば30歳でiDeCoを始めた場合、積立期間は30年です。

【節税できる金額】
2万4,000円×30年=72万円

毎年2万4,000円、30年間で72万円もの節税効果があります。

手数料がかかることをデメリットと捉える人もいるかもしれませんが、iDeCoではそれ以上の節税効果が期待できます。

NISAとiDeCoを併用するコツ

NISAとiDeCoは併用できます。併用することで、どちらかの節税効果が小さくなることはありません。より効率的に運用するためには、目的に合わせてうまく組み合わせることが大切です。

老後資金の準備を重視する人は「iDeCo」+「つみたてNISA」

老後資金をしっかり準備したい人は、まず「iDeCo」を上限まで積み立てて、所得控除を最大限に活用しましょう。その上で、残った予算を「つみたてNISA」で運用するのがおすすめです。

「老後資金がありすぎて困る」という人は、あまりないでしょう。つみたてNISAには途中解約や引き出しの制約がないため、当面使う予定のない資金を積み立てておくのもよいでしょう。

数年後に資金を使いたい人は「iDeCo」+「一般NISA」

老後資金を準備しつつ、住宅購入や旅行などの資金も準備したい人は、「iDeCo」と「一般NISA」を組み合わせるとよいでしょう。

大きな買い物には、つい手持ちのお金をすべて回してしまいがちです。後で困らないように、他の目的には使えないiDeCoを少額からでも始めておくことをおすすめします。月々5,000円を購入資金に組み入れるよりも、iDeCoで積み立てて所得控除を受けるほうが得策でしょう。

「NISA」+「つみたてNISA」は併用できない

NISA口座は、1人1口座しか持つことができません。例えば一般NISA口座を持っている人は、つみたてNISA口座に切り替えることはできますが、同時に両方から投資することはできません。必ず、どちらか一方を選択することになります。

また、保有商品をすべて売却してからでないと切り替えられないことにも注意が必要です。

税制優遇制度を使って賢い資産形成をしよう

どんな制度にも、メリットとデメリットがあります。どう組み合わせて運用するか決めるためにもまず自分自身の目的をしっかり見定めておくことが重要です。

NISAやiDeCoといった税制優遇制度をうまく使って、資産形成+節税で運用効率の向上を目指しましょう。

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